量子シミュレーション科学分野(講座)
野村 拓司
物質中の電子が持つ電荷・スピン自由度の間には様々な相互作用が存在するため,磁性・電荷秩序・超伝導などの相転移が起きますが,物質の波動性による量子ゆらぎは,この秩序化を妨げます。近年,この量子ゆらぎと相互作用がせめぎ合う金属化合物や分子性導体などの物質群から,新しい電荷スピン秩序や高温超伝導などが発見されました。SPring-8で解明されるこれらの系の性質を中心に,数値シミュレーションを駆使して研究します。