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先輩からの声
先輩からの声
兵庫県立大学での研究について
大学院理学研究科 物質科学専攻
電子物性学講座 博士後期課程1年
どのような研究をしていますか?
私は絶対零度(-273.15℃)に近い環境でのヘリウムの不思議な相転移について研究しています。一般的な物質は温度を下げると、気体→液体→固体へと変化しますが、ヘリウムは絶対零度まで凍らず液体状態を保つ、不思議で面白い物質の一つです。私は現在、ヘリウム単原子層薄膜で現れる奇妙な量子相の構造を明らかにするために、大型放射光施設SPring-8で日々実験しています。
研究の楽しいところ、大変なところを教えてください
まず、研究の大変なところは、小さなことを積み重ねるところです。一つ一つの事象に仮説を立て、幾度も検証する必要があり、その過程は長期間に及ぶことが多々あります。しかし、その過程を経て、面白い結果が出たときは研究の楽しさややりがいを感じます。
後輩へのメッセージをお願いします
目の前にある勉強や課題などに苦手意識を持たず、やる気と好奇心を持って全力で取り組みましょう。そして、勉強や研究の他に、趣味や娯楽など、新しいことにもどんどん挑戦しましょう。
大学院理学研究科 物質科学専攻
量子シミュレーション科学講座 博士後期課程1年
どのような研究をしていますか?
磁性およびX線分光、特にX線磁気光学効果に関する理論研究を行っています。磁気光学効果とは、光と物質が相互作用した際に(透過、吸収等)光の偏光状態が物質の磁気的性質によって変化する現象です。この現象を用いることで、対象物質の磁気的性質を調べることができます。さらに相互作用する光がX線の場合、内殻電子に関する情報を得ることができます。
研究室(あるいは研究分野)はどのように選びましたか?
学部3年の研究室体験で現在所属している量子シミュレーション科学講座を希望し、その時に行った数値計算やゼミで物性理論の研究に興味を持ったことをきっかけに現在の研究室を選びました。
どのような研究をしていますか?
入った当初は、理論研究は式を導出して計算プログラムを作成すれば、すぐに結果が得られるものだと思っていたのですが、実際には、思ったような結果が出ないことも多く、パラメータを少しずつ変えて計算するなど、想像よりも泥臭いものでした。しかし、そうして地道に計算した結果が実験結果と一致した際には、大きな達成感が得られました。 また、量子シミュレーション科学講座は連携講座であり、研究室は理学キャンパスではなく大型放射光施設SPring-8の敷地内にあるのですが、理学キャンパスから車で5分ほどなので車を持っていれば不便は感じません。
研究の楽しいところ、大変なところを教えてください
答えがないところ、というのがどちらにも当てはまると思います。まだ誰も知らないことを考えなければいけないため、研究が思うように進まず、時には失敗することもあります。しかし、その試行錯誤する点が研究の最も楽しいところでもあり、結果が出てそれが認められたときには胸が熱くなります。
大学院理学研究科 生命科学専攻
地球科学講座 博士後期課程2年
どのような研究をしていますか?
地熱資源や活断層の地下での分布を、電磁探査で調査しています。地熱地域や活断層周辺の地下には流体や粘土鉱物が豊富に分布するため、電気を流しやすい地質構造になります。地表で電磁探査を実施して地下比抵抗構造を明らかにできれば、熱水や活断層の分布などを推定できます。
研究室(あるいは研究分野)はどのように選びましたか?
元から自然現象に興味がありました。とりわけ地震は大きな被害をもたらし、またその発生の予測が困難とされており、その謎を明かしたいという思いがありました。そのため、地球科学講座を選び、活断層などを対象とした研究をしています。
入ってみてどうでしたか?
博士後期課程進学は、修士課程入学後でさえ考えていませんでした。しかし、修士の2年間では、地球の謎のうち、ほんの少ししか解き明かせず、自分の手で少しでも明らかにしたい、と思っているうちに気がつけば博士後期課程にいました。研究に勤しめており、今の環境に満足しています。
研究の楽しいところ、大変なところを教えてください
野外調査では地球を直に研究している気持ちになれます。謎や問題にもすぐ直面しますが、研究室の先生・学生仲間と議論し合えるので楽しく考えることができます。新たな手法や解釈を構築することは、課題の連続ですが、少しずつでも前進できることに満足しています。