教育・カリキュラム Education・Curriculum
履修の流れと卒業研究
第1年次
本理学部は、物質科学科と生命科学科の2つの学科を置いていますが、この両学科の間に壁を立てることをしないで、緊密な協力の下に学部を運営しようと考えています。これは学生諸君に自然科学の基礎的な分野を広く学んで基礎的な学力を身につけたのち、それぞれの専門分野の学習・研究に入っていくことを期待しているためです。現在の自然科学は高度に発展していますが、諸君にはさらに新しい研究を切り拓いていく能力を身につけることが求められています。新しい分野は従来の学問体系の境界領域・複合領域に生まれています。本理学部の設立の理念の一つとして挙げられている基礎的・学際的という内容はこのようなものです。
したがって1年次には、物質科学科、生命科学科のいずれの学科にもほとんど共通の科目が開設されます。数学、物理、化学、生命の各分野での基礎的な科目ですから、できるだけ受講するように勧めます。これらの科目は、2年次の各科目の履修の基礎になるものであり、かつ2年次実験の先修条件ともかかわってきます。先修条件を満たせなかった人は、2年次実験を履修できず、卒業が1年延びることになります。
2年次実験を履修するための先修条件
【平成27年度以降入学生】
1年次開講の必修の実験科目をすべて修得していること。
- 生物学実験
1年次開講科目のうち、A(数学)、B(物理)、C(化学)、D(生命)系の各分野について、Aを含む3分野から最低1科目、合計6単位以上修得していること。
- 数学
- 微分積分学Ⅰ、同Ⅱ、線形代数学Ⅰ、同Ⅱ、数学演習Ⅰ、同Ⅱ
- 物理
- 基礎物理学ⅠA、同ⅠB、同ⅡA、同ⅡB
- 化学
- 有機化学Ⅰ、無機化学Ⅰ
- 生命
- 細胞生物学1、生物有機化学1
生命科学科については、上記に加えて、生命科学入門を履修していること。
【平成20〜26年度入学生】
1年次開講の必修の実験科目をすべて修得していること。
- 生物学実験、地学実験Ⅰ(地学実験Ⅰについては平成23年度以前入学生のみ)
1年次開講科目のうち、A(数学)、B(物理)、C(化学)、D(生命)系の各分野について、Aを含む3分野から最低1科目、合計6単位以上修得していること。
- 数学
- 微分積分学Ⅰ、同Ⅱ、線形代数学Ⅰ、同Ⅱ、数学演習Ⅰ、同Ⅱ
- 物理
- 基礎物理学ⅠA、同ⅠB、同ⅡA、同ⅡB
- 化学
- 有機化学Ⅰ、無機化学Ⅰ
- 生命
- 細胞構造Ⅰ、生物有機化学Ⅰ
このほか、演習科目がいくつか開講されます。 各コースの履修モデルをよく見て、選択、受講して下さい。
第2年次
それぞれのコースの履修モデルに従って、履修する科目を決めて下さい。
物質科学科
多くの科目が開講され、3つのコースの特徴が現れてきます。個々の授業科目についてはとくに先修条件を設定してはいませんが、各コースの履修モデルは段階的、系統的な履修が可能であるように設定されたものですから、その趣旨をよく理解して、これを基準に選択科目を決められるよう強く勧めます。
生命科学科
学科独自の科目はあまり多くありません。各コースにほぼ含まれています。 コースの特徴はむしろ両学科共通科目のなかから何を選択するかによって決まるといえます。なお、どのコースにも“量子力学Ⅰ”が入っています。これからの生命科学を学ぶには量子力学の素養が必要であるといえます。決して易しい科目ではありませんが、将来きっと役に立ちます。しっかり学習して下さい。
なお、2年次に配当されている科目をきちんと履修しておかないと、3年次の学習にさしつかえます。また、2年次までの実験をすべて履修しておかないと、3年次実験が受けられないこととなっていますので注意してください。
3年次実験を履修するための先修条件
【平成20年度以降入学生】
2年次開講の必修の実験科目をすべて修得していること。
- 物理学実験、化学実験、物質科学基礎実験Ⅰ、同Ⅱ、生命科学基礎実Ⅰ、同Ⅱ
A、B、C、D(2年次実験履修許可条件科目分を含む)の各分野において、最低1科目、合計10単位以上修得していること。
- 数学
- 開講科目なし
- 物理
- 力学A、波動論
- 化学
- 有機化学Ⅱ
- 生命
- 細胞生物学2、生物化学2
第3年次
各コースの履修モデルにしたがってそのままコースを進む時期です。午前中は講義、午後は実験または演習があって息を抜く暇はありませんが、毎日のことをきちんとやっておれば、学問の面白みをかみしめていけることは間違いありません。
科目選択上の疑問は、ガイダンス担当の教員に質問し、よく相談して下さい。どのような科目を履修したかは4年次の卒業研究の講座を選ぶ際に大いに関係します。その点もよく考えて下さい。
卒業研究を履修するための先修条件は、「理学部 履修の手引き」をよく読んで下さい。
第4年次
中心は各講座に分属して行う卒業研究です。卒業研究は単位数こそ多くありませんが、理学部学生としての総仕上げであり、各講座の教員の指導を受けて一定のテーマのもとに研究を行うものです。そのため、必要な単位はほとんど修得しておいて、大部分の時間を卒業研究に充てる状況でなければなりません。したがって、卒業研究の先修条件はきびしくなっており、これをクリアしなければ3年次で足踏みすることになります。そのようなことがないよう努力して下さい。
なお、余裕のある学生は教授会の許可を得て大学院の最先端講義「大講座横断プログラム」の分野共通科目を受講することができます。その履修単位は、卒業所要単位には算入できませんが、本理学研究科の修了所要単位の一部として認定されます。履修希望者は指導教員と相談して申請して下さい。
各コースの卒業研究を行うのに適した講座
物質科学科
講座名 | 物性基礎コース | 物性コース | 物質コース |
---|---|---|---|
電磁物性学 | ◎ | ○ | |
光物性学 | ◎ | ○ | |
電子物性学 | ○ | ◎ | |
量子物性学 | ○ | ◎ | |
数理解析学 | ◎ | ○ | |
応用数学 | ◎ | ○ | |
構造物性学 | ○ | ◎ | |
極限状態物性学 | ◎ | ○ | |
機能性物質学Ⅰ | ○ | ◎ | |
機能性物質学Ⅱ | ◎ | ||
物質反応論Ⅰ | ○ | ◎ | |
物質反応論Ⅱ | ◎ | ||
化学分析学 | 生体分子 | ◎ | |
エックス線光学 | ◎ | ||
数理科学Ⅰ | ◎ | ||
数理科学Ⅱ | ◎ |
生命科学科
講座名 | 生体物性コース | 生体分子コース | 細胞コース |
---|---|---|---|
分子機械学 | ○ | ◎ | |
生体物質構造学Ⅰ | ◎ | ○ | |
生体物質構造学Ⅱ | ◎ | ○ | |
細胞構造学 | ○ | ○ | ◎ |
細胞制御学Ⅰ | ○ | ◎ | |
細胞制御学Ⅱ | ○ | ◎ | |
細胞機能学 | ○ | ◎ | |
生体情報学Ⅰ | ○ | ○ | ◎ |
生体情報学Ⅱ | ○ | ◎ | |
生体物質化学Ⅰ | ◎ | ○ | |
生体物質化学Ⅱ | ◎ | ○ | |
地球科学 | ◎ | ○ | 物質 |
生体分子生合成 | ◎ | ○ |
◎及び○の入っている講座が各コースの卒業研究をするのに適している講座を示す。
化学分析学、地球科学の各講座は他学科からの卒業研究生を受け入れることができる。