理学部長・理学研究科長メッセージ
今こそ「理学」を!
科学の発展とともに、人類は数々の技術を獲得し、その都度、社会や価値観を大きく変えるパラダイムシフトを経験してきました。近年、その新たな転換点としてAI(人工知能)が急速に台頭しています。
極めて便利なツールであり、人々が何時間もかけて調べ、考え、作成してきた作業が一瞬で行える時代が到来しました。このツールをいかに迅速かつ的確に使いこなすかが重要であり、まさに競争は待ったなしの状況です。
では、真に使いこなすためには何が必要でしょうか。AIによって処理された結果や、AIが扱う情報そのものの真偽を判断する能力、そしてそれらを正しく理解する力が不可欠です。
この能力の有無によって、AIを使いこなす側に立つのか、それともAIに使われる側に回るのかが決まるでしょう。
理学部は、自然科学を理解するための新たな知の創造と、それを支える人材の育成を目指してきました。この理念は、AIが台頭する情報化時代において、ますます重要になっています。
本学の理学部では、この新たな時代にも対応できるよう、学際性と確固たる基礎学問の両立を図り、数学、物理学、化学、生物学、地球科学、天文学といった古典的学問体系を
「物質科学」と「生命科学」という二つの軸で再編した学際的な組織のもと、柔軟な思考と飽くなき探究心で真の知の創造に取り組んでいます。
さらに、2022年には情報科学分野に直接アプローチするため、情報理学研究室を新設しました。
また、兵庫県には、大型放射光施設SPring-8、X線自由電子レーザー施設SACLA、本学が有するNewSUBARU、スーパーコンピューター富岳、西はりま天文台など、世界的に著名な研究施設が集積しています。
私たちはこれらを積極的に活用し、真の情報を得るために「自ら観る、知る」最先端研究を展開しています。
自然に翻弄されるのか、それとも理解し制御するのか。AIに使われるのか、使いこなすのか。この時代にこそ「理学」を学び、自然科学のみならず、この情報社会を力強く、そして華麗に生き抜いていこうではありませんか。

