陸上植物の微小管構築システムの比較研究

 生植物細胞は中心体を持たないのに、なぜ動物細胞と同じような機能をすることができるのか?
 この疑問を解決するため、分類学上、動物型の中心体依存性微小管構築システムと、高等植物型の中心体非依存的微小管構築システムの間に位置する、コケなど比較的原始的な陸上植物の微小管形成機構について、その制御機構の比較解析を行っています。図はコケの様々な細胞分裂で見られる前期の紡錘体です。

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図の説明:コケ植物で見られる分裂前期の紡錘体の形態。
 動物細胞と同様の中心粒を含む中心体から微小管が放射状に出ているもの(A)から、被子植物体細胞同様の細胞質に分散型の微小管形成中心(MTOC)を持つもの(D)まで、様々な型が見られ、動物型から高等植物型への移行期のMTOCの様子が想像できる。
(B)は極形成体と呼ばれる中心粒はないが中心体の様なMTOCを持っている紡錘体で、苔類の一部で見られる。
(C)は色素体表面をMTOCにした紡錘体で、単色素体性のコケ減数分裂で見られる。
 どの場合も、MTOCの位置にγ-チューブリンが局在している。
 赤:γ-チューブリン、緑:微小管、黄緑:色素体、青:前期核

Shimamura et al. 2004, Plant Cell 16, 45-59, 2004; 峰雪・嶋村 Plant Morphology 16, 71-82, 2004より




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