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兵庫県立大学 ピコバイオロジー研究所

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研究内容research contents

概要

           ミトコンドリア呼吸鎖複合体の高次の相互作用解析

                      青江新平、下村陽信、山田聖(4年生)、上根滋史(大学院)
                                    島田悟、伊藤(新澤)恭子

 ミトコンドリア呼吸系の各複合体は独立して機能しているのではなく、エネルギー変換効率を高めるため、何らかの高次の相互作用があると推定されてきました。最近FoF1ATP合成酵素以外の3種の複合体T、V、Wによって構成される呼吸鎖超複合体の単粒子解析結果が報告されました。この報告はこれら4種の複合体が、2次元的流体であるミトコンドリア内膜を溶媒とする、2次元的溶液を形成しているという単純なモデルはミトコンドリア呼吸系には当てはまらないことを強く示唆しています。したがって、ミトコンドリア呼吸の全容を解明するためにはこのような複合体間の相互作用の解析も不可欠であると考えられます。

  1. 電子伝達プロトンポンプ超複合体の精製及び結晶化 
     上述のFoF1ATP合成酵素以外の3種の複合体T、V、Wが形成する超複合体を哺乳類ミトコンドリアから調製する方法を確立し、その組成及び活性の測定等から超複合体における制御された電子伝達のメカニズムを明らかにしようとしています。また、2次元及び3次元結晶化条件を組織的に探索しています。




  2. チトクロムc-チトクロム酸化酵素相互作用の解析 
     チトクロムcは膜タンパク質ではありませんが、重要な呼吸鎖電子伝達系成分です。チトクロムcからの電子伝達はチトクロム酸化酵素のエネルギー変換効率の向上のために制御されていることが北海道大学石森研究室との共同研究でNMR解析により明らかにされました。 
     最近、チトクロムcとチトクロム酸化酵素(複合体W)の共結晶化に成功しました。現在までに2.0Å分解能での構造が解明されてきており、チトクロムcとチトクロム酸化酵素における相互作用部位が明らかとなり、電子伝達経路が推測されてきています。



その他の研究


CREST (戦略的創造研究推進事業)

 ライフサイエンスの革新を目指した構造生命科学と先端的基盤技術


基本姿勢

 当研究部門では、吉川信也特任教授と月原冨武特任教授を中心に、「世界を先導する研究を、学生を主体的に参画させて推進すること」を研究教育の基本姿勢として研究を勧めています。


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