化学分析学講座では「迅速」「簡単」「高感度」なバイオセンサーを実現するための新しい原理開発の研究を行っています.その実現に以下の研究テーマを展開しています.
治療や創薬材料を産生できる高機能細胞を創出する研究が進展しています.創出された細胞間で機能の発現にばらつきがありその品質評価が課題です.細胞を評価するには破砕や染色が必要です.高機能な細胞を見つけても培養・増幅できず利活用が難しいです.本研究は非染色で網羅的に単一細胞の電気特性を分析する方法や装置を研究開発しています.
細胞には多くの種類があり,1つ1つの細胞に個性があります.例えば,ウイルスから身を守る分子である“抗体”を産生するB細胞があります.B細胞の中でも抗体を産生する能力に違いがあります.たくさんの細胞の中から高い活性を有するB細胞のみを識別して分離することができれば,新しい免疫治療が期待できます.誘電泳動と呼ばれる現象を用いて,細胞を自在に操作,回収するデバイスを開発しています.
我々の体を構成する細胞や,ミジンコや大腸菌といった微生物も含め生物の多くは呼吸し酸素を消費します.このような小さな生物の呼吸量はどのくらいでしょうか.微細加工技術用いて1つの細胞よりも小さな電極を作成して,酸素の濃度を電気化学的に計測します.小さな生き物の“生きの良さ”を数値化し,水質の汚染度を計測するシステムを開発しています.
細胞は,細胞膜を介して細胞外の情報を受容して,細胞内の様々なタンパク質の相互作用を誘導させます.遺伝子工学技術を活用してこの相互作用を作り替え,新しい機能を有した細胞の開発に取り組んでいます.例えば,匂いを感じたら光ったり,電気が生じる細胞,異物を認識したら強い免疫応答を示す細胞などです.
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