走査型硬X線顕微鏡の研究開発

Last update: Dec. 3, 2003


走査型顕微鏡の光学系(位相ゾーンプレートを用いたマイクロビーム生成光学系)

1.解像度評価

(a) 縦方向のビームサイズ評価と(b) 解像限界評価.
サブミクロンのビームサイズが得られ,250 nmのLine-&-Spaceまで解像できている。

2.毛髪断面試料中の微量元素二次元マッピング[赤穂化成株式会社との共同研究](朝日新聞 平成13年11月1日(記事[35面],産経新聞 平成15年11月22日夕刊(記事[10面]))

銅薄膜を参照試料とする検量線法により求めた,毛髪断面中の銅の定量二次元分布測定の結果.
赤穂化成株式会社との共同研究.

3.いもち病に感染した稲の葉の微量元素二次元マッピング[兵庫県立農林水産技術総合センターとの共同研究](神戸新聞、平成12年6月15日(記事[1面][9面])

健全葉(上段)といもち病に感染した稲の葉(下段)の微量元素の定性二次元分布測定の結果.
病原菌に感染した農作物は、菌の増殖を抑える物質を出す「誘導抵抗性現象」を起こす。現象にはさまざまな元素が関与しているとされてきたが、今回の観察で裏付けられた。観察には稲を枯らす「いもち病」になった稲の葉を使用。健康な稲の葉ではカルシウム(Ca)とマンガン(Mn)が葉脈に沿った周辺の細胞に分布し、鉄(Fe)が一様に分布している。だが、病気になった葉ではマンガンと鉄が局部的に集積し、カルシウムでも集積現象が起きていることが確認できた。
兵庫県立農林水産技術総合センターとの共同研究.

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Compiled by Y. Kagoshima