分数と周期性の解説


最初に正確な内容の主張をかかげておくと「ある数が分数(つまり整数を 整数で割った答え)で表されることと、 小数で表した場合にある桁から下の桁が無限循環小数(周期をもつこと) となることは同じである。」となります。

まず、例を使って基礎となるアイデアを説明してみましょう。次の 例をみてください。

a=3.1415926926926926926....

ちょっと円周率に似た数字ですが、3.1415の後926が繰り返しとなって います。そこで

10000a=31415.926926926.....

とした後で、さらに1000培すると

10000000a=31415926.926926.....

となり、小数部分が一致しますから下の式から上の式 を引いてみると

9990000a=10000000a-10000a=31415926-31415=31384511

従って

a=31384511/9990000

このように、与えられた数Aを小数で表した場合に小数第n位から k桁おきの周期をもつ無限循環小数でとなる場合(上のaではn=5、k=3)、 そのAに10のn-1乗をかけて小数点以下が無限循環小数となるものB (上の例では10000aのこと)を作ります。次に、このBに10のk乗を かけたものC(上の例では10000aに10の3乗をかけて10000000aとする) を考えます。Aの循環している部分ではk桁おきに同じものが 出てきますから、BとCの小数点以下の部分が一致しています。 従ってC-Bは整数となります。こうしてp=k+n-1、q=n-1とおくと A=(C-B)/(10^p - 10^q)と分数で表せることがわかります。ここで 10^pなどは10のp乗などと解釈してください。

ここでわかったことはある数が「小数で表した場合にある桁から下の桁 が無限循環小数になっている」という条件を満たすならば、その数は 「分数で表せる」ということです。

では逆に「分数で表せる」数を 「小数で表すとある桁から下の桁が無限循環小数になっている」というの はどうやったら示せるでしょうか?

次のような説明が一番簡単でしょう。 ある数がu/vと分数で書けたら、その計算をたて算で計算することを 考えます。割り切れなければ、余りが出てきますが、余りとして 出てくるのは1からv-1までの多くてもv-1個しかないので、必ず 同じ余りが再度出てくることになる。そうしたら、そこから 先はまったく同じ計算の繰り返しになるから、無限循環小数 になる。


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