セリウム(Ce)系化合物の研究

 セリウム(Ce)は、ランタノイド元素の中ではランタン(La)の次に周期表に現れる元素です。化合物中では3価(Ce3+)に近い状態を取りやすく、4f電子を1つ持ちます。こ4f1の状態に伝導電子が密接に関係することによって磁気秩序や超伝導状態、また重い電子状態(*)といった興味深い状態が近接して出現します。Ce系の幾つかの化合物では、圧力をかけるなどすることによって磁気秩序から超伝導状態への制御を行うことができるため、強相関電子系化合物における超伝導の研究では最も精力的に研究されてきた物質系の一つでもあります。代表的な例としてはCeTIn5(T= Rh, Ir, Co)があり、私たちは世界に先駆けてこれらの物質のNMRやNQR測定を行いました。
 また最近では、空間反転対称性のない結晶構造を持ちながら反強磁性(2.2K以下)と超伝導(0.75K以下)が共存するという非常にユニークな物性を示すCePt3Siについても研究を行っています。

Reference
Eur. Phys. J. B 18, 601 (2000) (CeRhIn5)
Phys. Rev. B 64, 134526 (2001) (Ce(Co, Ir)In5)




back