ねらい
「原子とはどのような構造をしているのか?」「なぜ原子によって性質の違いがあるのか?」「なぜ原子が結合して分子ができるのか?」これらのことを説明するのが量子化学です。本講義では2年に学んだ量子力学を原子・分子の系に適応し、原子と分子の電子状態、分子の回転と振動などを理解することを目指します。
内容
1.量子力学Tの復習 − 粒子・波動の二重性とはなにか
2.水素原子のエネルギー準位 − 「量子」を実感する
3.シュレディンガー方程式 − 実際にシュレディンガー方程式を解く
4.水素型原子 − 電子を一つだけ持つ原子
5.多電子原子と周期律 − 周期律表の謎を解く
6.剛体回転子と角運動量 − 分子の回転は量子化されている
7.調和振動子と振動 − 分子の振動も量子化されている
8.多原子分子の振動 − 振動スペクトルによって分子の構造を推測する
9.ヘリウム原子(摂動法) − 電子を2つ持つ系(その1)
10.ヘリウム原子(変分法) − 電子を2つ持つ系(その2)
11.電子スピンと原子構造 − スピンを考慮して再び周期律表を考える
12.水素分子イオン − なぜ原子と原子は結合するのか?
13.二原子分子 − 結合軌道と反結合軌道
14.計算化学 − ボルン・オッペンハイマー近似と分子軌道法
15.まとめ − 量子力学を理解するために
教科書
プリントを授業時に配布しますが、授業だけではわからないので、下記の本を買うことを薦めます。
「量子化学−基礎からのアプローチ」 真船文隆、化学同人
昨年、下の本を買った人はこれでも十分です。
「アトキンス 物理化学 8章〜11章」 東京化学同人
参考書
基礎から学ぶ量子化学 高木秀夫 三共出版
ねらい
この演習は量子化学Tと並行して進めます。量子化学の演習問題を解くことにより、原子および分子の特性の半定量的な計算ができるようになることを目指します。
参考書
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