量子力学I
電子などの微視的世界の現象は量子力学によって記述される。従って、物質科学はその基礎を量子力学においている。本講義では、この量子力学の理論体系の基本を、シュレディンガー方程式から始めて説明する。
講義内容
1.イントロダクション(量子力学の誕生・前期量子論)
2.時間を含むシュレディンガー方程式
3.物理量の期待値とエーレンフェストの定理
4.変数分離法と時間を含まないシュレディンガー方程式
5. 変数分離法と箱の中の自由電子
6.量子力学の基本法則、物理量と演算子、固有値と固有関数
7.関数の内積、エルミート演算子
8. 不確定性原理と波束の運動
9. フーリエ変換と運動量表示
10. 確率の流れ
11. 周期的境界条件下の自由電子
12.ポテンシャル障壁とトンネル効果
13.ハミルトニアンの対称性とパリティ
14. 調和振動子(エルミートの多項式)
15. 調和振動子(昇降演算子)
以下は、2022年度講義資料。ダウンロード方法は講義で説明。
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物性論I
固体物理学では結晶を対象として扱う。結晶中では原子・分子とそれに付随する電子が周期配列をなしている。
本講義では、この微視的周期構造と、これにより発現する物性の基礎を学ぶ。
講義内容:
多種多様な物質群が、微視的構造、すなわち原子・分子の配列、および結合様式から分類されることを説明する。また、その配列を知るためのX線回折の基礎を示す。
固体中で周期的に配列した原子・分子は熱振動をしており、その量子化概念であるフォノンの比熱、熱伝導等への関与について解説する。 なお、2017年度より、グローバルサイエンスユニット科目として実施される。
授業計画:
矢口浩之 「初歩から学ぶ固体物理学」(1章〜8章)相当の内容、すなわち
C.キッテル 「固体物理学入門」(1章〜5章)相当の内容を学ぶ。
1. 結晶構造: 基本格子ベクトル、基本単位構造、基本単位格子、空間格子、ミラー指数、結晶構造
2. 波の回折と逆格子: ブラッグの法則、逆格子ベクトル、逆格子、ブリルアン・ゾーン、単位構造のフーリエ解析、構造因子、原子構造因子
3. 結晶結合と弾性定数: 希ガス結晶、ファン・デル・ワールス−ロンドン相互作用、イオン結晶、マーデルングエネルギー、原子半径、弾性ひずみの解析、弾性定数、弾性波
4. フォノン: 単原子結晶の振動、二原子結晶の振動、分散関係、弾性波の量子化、フォノン比熱、状態密度、デバイ・モデル、アインシュタイン・モデル、熱膨張、熱伝導率
以下、2023年度の資料。ダウンロード方法は講義で説明。
講義資料(4/11配布)
講義資料(4/18配布)
講義資料(4/25配布)
講義資料(5/2配布)
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講義資料(7/4配布)
講義資料(7/11配布)
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物質科学入門
オムニバス形式。
物質科学科における勉強の仕方、光物性学の紹介。
キーワード:X線自由電子レーザー
講義資料(5/12)
基礎ゼミナール
各講座での研究内容について、基礎的な内容を修得する。
光物性学講座は研究棟731号室で行う。
先端光ビーム科学
レーザー光、放射光などの先端光ビームについて、その光源および光学系の基礎知識を得る。
講義内容:
レーザーおよび放射光に関する最先端の光源とその光学系の基礎的な知識について説明する。また、その特性を利用した応用例を紹介する。
授業計画:
1.序論 光とそのパラメータ
2.レーザーの概要
3.レーザーの発生原理
4.レーザーの動作と制御
5.各種レーザー
6.レーザー計測法
7.放射光の概要
8.放射光の発生原理
9.放射光の動作と制御
10.放射光の性質
11.放射光計測法
※場所 研究棟7階731 「天空講義室」(SPring-8キャンパスを下界に見ながら・・・・)

以下は、2022年度講義資料。
講義資料(10/3 配布)
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分光学II
物性測定については、大きく分けて電気抵抗測定に代表される輸送現象とこの授業内容に関連する分光学測定となる。広いエネルギー領域にわたって分光学の種類と原理方法をやさしく講述する。
講義形式:
オムニバス形式
田中担当部分内容
1.時間分解分光の概要
2.光源の時間構造と時間分解測定法
3.高速ダイナミクス研究の実例
フォトンサイエンス特論
フォトンサイエンスコース生必修の特論
講義内容:
放射光・レーザーの複合光ビームによる新しい光物性学の開拓と展開について講義・議論する。
授業計画:
1.放射光X線とレーザー光を組み合わせた時間分解計測
2.超短パルス自由電子レーザーの発生方法
3.波重ね合わせの原理とエネルギー保存則
理学部学生の皆さんへのメッセージ
理学部物質科学科、大学院理学研究科物質科学専攻は、物質科学を軸とする広い基礎的専門分野を網羅できるコースになっています。
伝統的な学問体系で学ぶことは、言うまでもなく、たいへん重要です。しかしながら、新しい分野の研究にとりくもうとすると、既存の学問体系に縛られない知識や環境が必要なことが多いのも事実です。
また、科学技術の発展過程において、何が安全で何が危険か、何がエコで何が浪費か、何が得で何が損か、何が正解で何が誤か。
昨今、情報が入りやすくなったとはいうものの、科学技術の進展も著しく、専門家の中でも判断基準が揺れ動くことの多い時代です。
今こそ基礎学問を振り返って、かつ、幅広い知識や考え方にたって、自分自身の納得できる判断をもって良き未来に貢献できるよう、当大学・大学院で
しっかり自らを磨いてください。
【追記】 コロナ禍で感じたこと。
上述のことに、まさに直面しました。
新型コロナウィルス対策として、いったい何が正しいのか、ずいぶん考えさせられました。
さらに、大学における講義形式ひとつ取っても、リモート形式やオンライン形式に対応した結果、選択肢が増え、様々な議論が起こりました。大学で「学ぶ」とは何か。小中高での学びと何が違うのか。
コロナ禍でも、いや、コロナ禍だからこそ、「大学での学び」の神髄に迫れる機会が与えられたと思って、精一杯考え抜きましょう。
講義科目
物質科学入門(1年生) 量子力学I(2年生) 物性論I(3年生) 基礎ゼミナール(2年生)
分光学II(4年生) 先端光ビーム科学(大学院生) フォトンサイエンス特論(大学院生)