Spin relaxation of polarized Xe atoms stored in deuterated ethanol
Kiyoshi Ishikawa, Hirohiko Imai, and Yoshihiro Takagi

重水素化エタノール中の偏極キセノン原子の核スピン偏極の緩和を測定した。 その緩和の ようすは、重水素の電気四重極緩和や、重水素とキセノンの磁気双極子相互作用に依存する。 重水素とキセノンの交差緩和レートはプロトンとキセノンのものに比べ非常に小さいが、 低磁場で実験したので、重水素信号の増大を検出することができた。 エタノール中における キセノン原子の核スピン緩和と溶解度の温度依存性を詳しく調べることにより、溶媒のスピン 保存性能をうまく表わす指数を定義した。 長時間にわたり多数の偏極キセノン原子を蓄える ためには、並進運動だけでなく緩和時間に影響を与える、溶媒の粘性率について考慮することが 重要である。 化学シフトを利用した時間分解磁気共鳴画像化により、低温にして粘性の高く なったエタノール中のキセノン原子が、均一な空間分布を得るまでのようすを観測した。