光ポンピングしたセシウム蒸気からスピン偏極を移し、塩化セシウム中のセシウム原子核の超偏極を実現した。
その偏極率は、最大0.1%に達した。
増大したNMR共鳴線がイオンの運動により尖鋭化したので、偏極イオンが表面から塩内部に移動したことが示唆される。
超偏極イオンのNMR信号が非常に大きいので、スピン偏極のダイナミクスを実時間で観測できるようになった。
NMR共鳴周波数と縦緩和時間の観測結果には、セシウム金属や常磁性不純物が塩化セシウムに混入している形跡はない。
セシウム原子核のスピン偏極率は、容器中すべてのセシウム塩をレーザー加熱できれば、さらに数桁の改善ができるだろう。
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