Spin accumulation in thin Cs salts on contact with optically polarized Cs vapor
Kiyoshi Ishikawa

光ポンピングしたセシウム蒸気と接触させると、塩のセシウム原子核スピン系に角運動量が蓄積される。 解離性の水素化物に加え化学的に安定な塩化物でも核スピンが偏極されたので、気体原子と固体イオンの交換による偏極移行の可能性は低く、 核磁気相互作用によりスピン偏極が移っていると考えられる。 固体薄膜では、スピン偏極の増大過程だけでなく、増大したスピン偏極の緩和過程もまた、バルク試料の熱平衡状態における回復過程より速い。 厚い試料の信号を取り除くことにより、塩化セシウムの薄膜で熱平衡状態の100倍を超える核スピン偏極が得られたことがわかった。