この研究会は,2012年4月に発足したSPring-8ユーザー協同体(SPRUC)の細則に基づく利用委員会の研究会で,SPring-8 旧利用者懇談会の「結晶化学研究会」より継続して活動しております.この研究会の目的は,化学結晶学の分野における大型放射光施設利用実験の促進と関連装置の高度化を目的としています.
関連する主な実験手法
単結晶および粉末結晶構造解析
現在関連する主なビームラインと実験装置.
BL02B1 単結晶ビームライン : 大型湾曲(IP)回折計およびCCD回折計.(
WEBカメラ)
BL02B2 粉末X線回折ビームライン:大型デバイシェラーIP回折計及び半導体検出器多連装型(MYTHEN)回折計.
BL40XU 高フラックスビームライン:CCD精密回折計.
SPring-8ユーザ協同体(SPRUC)は、SPring-8利用者(UserIDをお持ちの方)全員が構成会員です(会費はありません).以下の活動目的に賛同し,関連ビームラインの測定機器の維持・高度化に協力いただける方は,ぜひ研究会メンバーとして御参加ください.メンバー登録希望者は、SPRUC事務局へご連絡願います、また当研究会に関する質問等は,
研究会代表 まで電子メールで御連絡ください.
化学結晶学分野での最先端研究において放射光を利用する目的は,X線結晶構造解析の手法を用いて、分子の静的,動的三次元構造とその変化を立体的に時間的かつ空間的に高精度の分解能をもって観測することにある.結晶化学研究会は,SPring-8のBL02B1,BL40XU に設置された単結晶X線回折計の利用を中心として,以下に掲げる先端的な研究推進と放射光利用実験促進を目的として活動する.
1. 物理的摂動下(光,電場,磁場,電流,圧力)における励起,遷移,準安定状態の分子の直接観測
2. 分子性結晶の極微小結晶構造解析
3. 精密構造解析(電荷密度分布解析)
4. 結晶相化学反応のその場観察
5.分子の構造ダイナミクスと,構造物性相関の高精度解析
6.粉末X線回折法を利用した分子性結晶の構造研究
主に化学者が放射光利用研究を容易にかつ効率よく遂行できる利用環境を整えることを最重要課題として,具体的に以下の項目についてハード・ソフト両面からの実験装置,利用形態の高度化を進める.
1. SPring-8の高エネルギー.高輝度X線を利用した精度の高い単結晶構造解析による利用促進.
2. 動的構造の高精度観測のための実験,解析手法の開拓
3. SPring-8ビームラインの光源の高輝度化と装置の高性能,ハイスループット化
これまで中心となった単結晶構造解析法に加えて粉末X線回折法などの他の放射光利用実験また中性子回折法など,様々な実験手法の組み合わせによる,化学結晶学分野の先端研究の促進を目標とする.ユーザの利用のしやすさを第一に考え「SPring-8の装置ならどんな先端的な実験でも最高のデータを出せる」環境を目指して光源の高輝度化,装置の高性能化,オンサイトサポートの充実を目指し,施設側に積極的に提案を行なっていく.
(2016.11.01) 結晶結晶研究会代表交代のお知らせ
2016年11月1日より、研究会代表は橋爪大輔 氏(理化学研究所)、副代表は河野正規 氏(東京工業大学)、杉本邦久 氏(高輝度光科学研究センター)に交代します.
(2016.11.01) 2016年度 SPRUC 結晶化学研究会会合 議事録掲載
SPring-8シンポジウムに合わせて SPRUC 結晶化学研究会サテライト会合を開催しました.
日時:2016年8月30日(火)16:30〜18:00
場所:関西学院大学神戸三田キャンパス VII号館113教室
プログラム:
- 16:30-16:50 講演 1:「BL40XU ガンドルフィーカメラ法によるマグネシウム合金の熱膨張率の精密決定」安田伸広(JASRI)
- 16:50-17:10 講演 2:「BL04B2, BL10XU を利用した多核金属錯体の発光挙動と結晶構造の圧力依存性」小澤芳樹(兵庫県立大学
- 17:10-17:30 講演 3:「PF AR NW2A, NE3Aを利用した巨大球状ポリオキソメタレート結晶の湿度応答構造変化」尾関智二(日本大学)
- 17:30-18:00 討議:「SPring-8次期計画と結晶化学関連ビームラインの性能向上と新しい利用技術開拓」
SPRUC サテライト会合議事録
利用者の動向調査報告書
研究会代表 橋爪 大輔 理化学研究所 創発物性科学研究センター
351-0198 埼玉県和光市広沢2-1 048-467-9365 e-mail: hashi(at)riken.jp