4.地震
c. 地震発生の場

プレート境界の地震
世界の地震の分布(図;地震の分布、プレート運動)
 地震はプレート境界付近で起こる;海嶺、海溝、トランスフォーム断層
 地震のメカニズム解から、プレート運動の特徴が理解できる
海嶺の地震は正断層型(図:海嶺とトランスフォーム断層の地震;大西洋中央海嶺中部)
 海嶺を両側から引く張力による
 プレートの間をうめて造られた海底は、分離するプレートによって引き裂かれる
トランスフォーム断層の地震は横ずれ型
 食い違った海嶺間で、プレート運動の差を調整する
下図:S.Stein & Wysession "An Introduction to Seismology, Earthquakes, and Earth Structure"(Blackwell)より



海溝付近の巨大地震(図:太平洋周辺の地震のメカニズム解)
 海溝近傍の陸側では、巨大地震(マグニチュード8前後かそれ以上)が起こる
 地震は低角逆断層型
  海側のプレートが、ゆるい角度で陸側のプレートの下に沈み込む
 この地震は、プレート間の相対運動を解消するので、プレート間地震とよばれる
 地震のために津波が発生することがよくある
下図:金森博雄編「岩波講座地球科学8」(岩波書店)より



沈み込み帯の地震
海溝付近には何種類かの地震が存在(図:日本周辺の地震の分布)
 メカニズム解などによって、各々の地震の意味や原因が理解できる
震源の場所から分類(図:沈み込み帯の地震の分類)
 プレート間地震;海側と陸側のプレートの間
 海洋プレート内;沈み込み前、沈み込んだ後(深発地震)
 陸側のプレート内;内陸地震
沈み込み前の海洋プレートで起こる地震
 浅部に正断層型の地震、稀に深さ数十kmで逆断層型の地震
 海洋プレートの曲げが地震の原因;浅部に張力、深部に圧縮力 
深発地震
 沈みこむプレートを追跡する情報として使われる
  プレートが低温なために、流動せずに破壊が起きて地震となる
 浅部はプレート運動方向の張力、深部は圧縮力となる傾向
 沈み込んだプレートに働く重力と、運動に対する抵抗力を反映
内陸地震
 メカニズム解の特徴を一般化するのは難しい
 プレートの沈み込みによる何らかの力を反映
 日本列島には、東西方向の圧縮力と、多少弱い南北方向の張力
  太平洋プレートの沈み込みの効果を反映か