1.太陽系の中の地球
b. 惑星としての地球

宇宙から見た地球(図)
左:月の背後から見た地球
 (アポロ8号。人類が初めて月に着地したのはアポロ18号)
右:もっと近くから地球を見る(アポロ17号)
 海と陸、雲の存在
 アフリカ、褐色なのは砂漠、雲の下は緑
 下端に南極の氷が見える

Q. 他の惑星と比較して、地球の特徴をあげよ

地球の特徴
地球型惑星の中でも、地球は特別な存在
 1.豊かな海をもつ:水の惑星
 2.酸素に富む大気をもつ
 3.生命が生存
地表の温度:ほぼ一定。大気と海の存在による
 太陽から来る熱は、昼の領域と夜の領域で大きな差
 大気と海が熱を保持して、温度差を抑える
生命の存在;火星など、他の惑星にもあるかどうか?
固体地球の特徴;プレートテクトニクスが適用される唯一の天体か?

地球環境の形成と安定性
地球が特別な環境ももつに至った根本原因は、海ができたこと
 H2Oが地表に液体の水として存在する条件が満たされたこと
 それ以外の特徴は、海の存在から説明できる
太陽からくるエネルギーは、地球誕生時から、2倍程度に増えている
 だが、表面の気温はほぼ一定に保たれている
環境の安定が、たまたま満たされる確率は極めて低い
 環境の安定を保つようなメカニズムが、何か働いているはず

Q. 海が地球環境に果たす役割を議論せよ

太陽(図:太陽の構造)
太陽系の中心にある恒星
 内部で原子核融合反応:HがHeに
 その莫大なエネルギーで高温に
 輝いて見える光球のまわりを、大気層コロナが囲む
太陽は、周囲に物質とエネルギーを放出
光球:表面の温度は6000℃
 半径 70万km、質量 2×1030kg、密度 1400 kg/m3
紅炎:内部から吹き上げた物質の流れ

宇宙空間の特徴
我々が生活する地表では、物質は電気的に中性な物質からできている
 電子が原子に束縛されて、分子、結晶、金属などが作られる
宇宙空間は大部分がプラズマで満たされている
 大半がHの原子核(陽子)、Heなど他の元素の陽イオンが少量、電子
プラズマ:原子がイオン化して、電子と分離した状態
 正イオンと電子、荷電粒子が自由に運動
太陽系は太陽風にさらされている
 太陽風は、太陽から流れてくるプラズマの流れ
 地球軌道付近で、速度450km/s、粒子数 5〜10個/cm3
宇宙空間と地表の状態
 原子が密に存在する地表では、電子はほとんど常に原子に捉まる
  分子や結晶になる
 物質が希薄な宇宙空間では、分離した電子は原子に捉まりにくい
  物質はプラズマになる

Q. 地表では、どうしたらプラズマ状態の物質が作れるか?


磁気圏(図:磁気圏と太陽風) 地球磁場のために、太陽風がほとんど入れない磁気圏ができる  運動する荷電粒子は、磁場で曲げられる   磁場と運動の両方向に垂直な力を受ける   磁力線(磁場の方向を結んだ線)を横切りにくい  太陽風のほとんどは、磁気圏界面の外側を迂回して通りすぎる  一部は、磁力線が地球に向く極方向から、磁気圏に入り込む 磁気圏は、太陽風の影響を排除して、地球が支配する領域  内部は、地球の近傍を除いて、プラズマで満たされている  荷電粒子は、特にバンアレン帯と呼ばれる2つの帯に集中 磁気圏の形は、太陽プラズマの作る磁場で球対称からはずれる  太陽の反対側に長い尾を引く  太陽と地球を結ぶ直線のまわりに回転対称 磁気圏の大きさは、太陽側で地球の半径の約10倍  反対側には、地球の半径の2000〜3000倍 下図:内藤玄一・前田直樹「地球科学入門」(米田出版)より



Q. 太陽風は、何故極地方に入り易いか?

地球の大局的な構造(図、地球の構成)
磁気圏の最下部、固体地球の近傍は、重力の支配する世界
 重力は、それより深部の質量の合計が及ぼす万有引力
 重力の大きさ = 万有引力定数 × 質量の合計 / 中心からの距離2
重力の効果で、地球は球対称の成層構造をとる
 重い(密度の高い)ものは下、軽いものは上に
 同じ密度のものは、水平方向にならされる。
地球の大局的な構造:自分自身のつくり出す重力場に支配されている
 磁気圏も最下部では、大気は成層構造をとる
 海面は球対称だが、陸のために分布が限定される
 固体地球はほぼ球状で、内部も大局的には成層構造

Q. 固体地球やその近傍で、磁場が構造に影響しないのは何故か?


大気(図:上層大気)
大気とは、地球を取り囲む空気の総称
 構成物質が地表付近と類似する高さ300km付近を上端と考える
 最上部は構成物質の一部ががプラズマ状。熱圏とよぶ
 熱圏は、プラズマ状態にある磁気圏の最下部
熱圏で見られる現象
 オーロラ:極地方の発光現象
  極地方では、太陽から発した電子や陽子が上層大気に入射
  窒素や酸素などの原子や分子を励起して、発光、オーロラを生む
 電離層:熱圏下部でプラズマの量が増加する場所
  太陽放射のために、熱圏下部を満たす酸素や窒素が電離
  プラズマの量は、中性原子・分子の約0.1%
  荷電粒子の濃度差のために、電波が反射する
高さ80kmより下は、中性の原子や分子などで構成
 上から中間圏、成層圏、対流圏

Q. オーロラが極地方でしか見られないのは何故か?
Q. 地上から発したの電波が、地球の裏側にも届くのは何故か?

海洋
地表の面積の約71%をしめる。
深さは大半が3〜6km。最深部で11km
水でできた海の存在は、他の惑星には見られない地球の特徴


固体地球
赤道半径6378km、極半径6357km。球に近い回転楕円体
 回転楕円体になるのは、地球の自転の影響
地球の自転:周期 23時間56分(太陽日)、24時間3分(恒星日)
 自転軸の傾き 23.5°
地球の公転:周期 365.24日
固体地球は、地殻、マントル、核から成る
 液体金属鉄でできた外核の対流が、地球磁場を生み出す

Q. 自転の周期は、太陽と恒星に対するもので何故違うか?
Q. うるう年が必要になるのは何故か?