研究内容


   I 地球内部の物理・化学的性質の解明
       松井正典・萩谷健治
 
 地球表層部から中心核までを想定した種々の温度・圧力条件下で、各種地球内部物質 (実在及び仮想を含む) の構造、エネルギー的安定性、P及びS地震波速度、熱膨張、圧縮率等を、SPring-8での放射光高温高圧実験、研究室における高温高圧実験、及び計算機シミュレーションを組み合わせることにより高精度で再現、あるいは信頼できる精度で予測する.加えて、得られた結果を、地震波等からの地球内部観測データと比較検討することにより、地球内部の物理的 (温度、対流など) 及び化学的 (化学組成、鉱物組成など) 性質を詳細に解明する.

   II SRによる極微小結晶の構造・組織の解析
       萩谷健治・松井正典
 
 地球科学、材料科学の分野では粉末の状態でしか得られない物質が存在する.このような物質の結晶構造の研究は、従来粉末法 (Debye-Scherrer法) を用いて行われた.しかしながら粉末法では回折線の重なりが避けられず分離のよい単結晶を用いることが必要である.また結晶中、あるいは単結晶の集合に見られる組織の解析にも粉末法に用いられている方法は適用できない.我々は、これまでにSRを利用した極微小単結晶の構造研究のための方法を開発した.その方法を用い、各種の極微小単結晶の構造・組織の研究を行っている.

   III 無機化合物における変調構造
       萩谷健治
 
 近年さまざまな物質において変調構造が見いだされている.また変調の種類にも置換型の変調、変位型の変調、それに両者の組み合わさったものが存在する.我々はX線回折法を用い無機化合物、鉱物に見られる各種の変調構造の解析を行うと共に、変調構造を持つ物質に見られる衛星反射の位置・強度の温度変化等の測定により、変調構造の発現機構を研究している.

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