(4) ギ酸から二酸化炭素を生成する金属酵素[ギ酸デヒドロゲナーゼ]

 

ギ酸デヒドロゲナーゼはギ酸(COOH)を酸化し二酸化炭素(CO2)を生成する金属酵素です。また、逆反応は二酸化炭素固定として機能するため非常に興味深いです。本研究室ではメタノール資化性菌由来のギ酸デヒドロゲナーゼの構造解析を行っています。メタノール資化性菌は葉の表面に棲息し、植物が排出したメタノールを取り込みエネルギー源・炭素源として利用する細菌です。ギ酸デヒドロゲナーゼは活性中心とその配位子により4つのタイプに分けられます。我々が研究しているメタノール資化性菌由来ギ酸デヒドロゲナーゼはヘテロ2量体で、タングステン活性中心を持つサブユニットとNADを持つサブユニットで構成されています。このタングステン活性中心には2つのタングストプテリングアニンジヌクレオチドとシステインが配位しています。本研究室ではギ酸デヒドロゲナーゼの反応機構の解明を目指して構造解析を行っています。