2)細胞の分化・増殖を制御するWnt/b-cateninシグナル伝達経路で働く可逆的ポリマー化タンパク質

 

Wnt/b-cateninシグナル伝達経路(Wnt/ b -cateninシグナル)は、細胞の増殖・分化などを制御しており、分泌タンパク質であるWntが受容体に結合することによって活性化されます。すると、細胞内因子の1つであるDishevelled(Dvl)がポリマー化され、これがきっかけとなり細胞内でシグナルが伝達されます。DvlWnt/ b -cateninシグナルを阻害する細胞内因子Axinに結合し、その働きを抑えます。DvlAxinにはDIXドメインが存在し、Dvl-DIX (DIX)Axin-DIX (DAX)はそれぞれ単独でらせん状にホモポリマー化します。DvlAxinに結合する際にはDIXDAXの相互作用によるヘテロポリマー化が重要です。Wnt/ b -cateninシグナルの制御におけるDIXドメインの働きを原子・分子レベルで解明することを目指しています。