タンパク質結晶学・構造生物学とは?


   地球上の生物はみな一定の期間生き続け、子孫を残すことで生命活動を永遠に続けようとします。生物はそれを可能にするために巧妙なシステムを作り上げてきました。子孫を残すためには遺伝子(DNA)が中心的な役割を果たします。呼吸や代謝、情報伝達など細胞の生命活動を維持するためには細胞内でいろいろな分子が働いています。中でも特に重要なのはタンパク質で実に多くの種類があります。これらの生体高分子がその場に応じて必要な「働き(機能)」ができるのはそれぞれ固有の「形(立体構造)」を持っているからです。

   私たちは、X線結晶解析という手法を用いて原子のレベルで、タンパク質の「形(立体構造)」を明らかにし、その「働き(機能)」を理解することを最初の目標とします。この研究手法は構造生物学、あるいはタンパク質結晶学と呼ばれる基礎科学の研究分野に分類されます。これは遺伝子からつくられるタンパク質の「働き」を解明するために最も威力を発揮する研究手法です。この結果は病気の原因をつきとめたり、薬剤や触媒などの化合物の設計や合成に役立ちます。X線結晶解析を進めるために、特にSPring-8をはじめとする放射光の利用に重点を置いています。




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