応用数学 Theoretical Physics II / WelcomePage (English)
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特にスピンのゆらぎの量子ゆらぎの効果について(最近は磁気体積効果, 磁 気異方性について研究を行なっている)

磁性体の温度を上げていくと、ある温度で磁性が消失する。この温度のこ とをキュリー温度と呼び、TCという記号でよ く表される。磁性が消失した後でも、外部からの磁場によって磁性が復活し、 その大きさはかけた磁場の大きさ H に比例する。この比例係数を磁化率と呼ぶ が、その温度依存性について次のキュリー・ワイス則が成り立つことが知られ ている。
M/H = C/(T - TC)
上の式の右辺の分子に現れる定数 C は、キュリー定数と呼ばれる。 kBはボルツマン定数である。これらはフラン スの物理学者である P. Curie によって発見された磁性にとって重要な性質で ある。
キュリー定数は、C = N peff2/3kB のように、原子数 N と原子磁石の大きさに関係する peffを用いて表されることもある。キュリー 定数の値から求まるこの値を、有効磁気モーメントと呼ぶ。絶縁体に現れる磁 性の場合には、実際にこの値が棒磁石のようにふるまう原子の磁気モーメント の値 psとほぼ同じ値となることが知られてい る。つまり、 peff/psの比 の値はほぼ1となり、キュリー・ワイス則が成り立つ理由については随分以前に 決着していた。
金属磁性体の場合にも、一般に磁化率の温度依存性がキュリー・ワイス則 にしたがうことが知られている。ただし、 peff/psの比 が 1 より大きな値をもつ場合が多いことから、絶縁体磁性の場合とは異なる原 因によるものと予想される。その原因が分かりかけたのは、ようやく1973年頃 になって、スピンゆらぎの影響の重要性が認識され始めた頃である。
独自の考えに基づくスピンゆらぎ理論(Y. Takahashi, 1986年, 2001年)に より、キュリー・ワイス則に関係する磁気モーメントとキュリー温度との間に 密接な関係があることが、現在では明らかになっている。この理論によれば、 2つのモーメントの比の値が、キュリー温度を磁気ゆらぎを支配するエネルギー に相当する温度 T0で割った比の値で決まる ことになる。上の図(Takahashi-Rhodes-Wohlfarthプロット)は、多くの磁性体の実験データが理論(実線)の近くに分布 するようすを示している。
Updated on 2010/04/15