Pico Times リーディングプログラム広報
平成30年1月発行平成30年1月発行
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兵庫県立大学リーディングプログラムパンフレット
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ご挨拶

リーディング大学院「ピコバイオロジー専攻」を目指すみなさんへ プログラムコーディネーター 兵庫県立大学大学院生命理学研究科 特命教授 大隅 隆

ピコバイオロジー専攻は、文部科学省の大学院改革プロジェクト「博士課程教育リーディングプログラム」(平成23年度)に、当研究科からの申請「フォトンサイエンスが拓く次世代ピコバイオロジー」が採択されたのを受け、その構想を実現するために平成25年度に新たに開設された、5年一貫制の大学院博士課程です。

"ピコバイオロジー"とは、タンパク質の構造と機能をピコメートルレベルで明らかにすることにより、生命現象をタンパク質によって駆動される化学反応として理解しようとする学問体系です。この新しい概念は、当研究科が平成14年度以来、21世紀COEとグローバルCOEという2つのCOE事業を展開する中で醸成されました。本研究科は、理化学研究所のSPring-8やSACLAと至近距離にあり、また独自開発の振動分光装置を擁するなど、タンパク質研究に関して世界でもトップクラスの環境にあります。"次世代ピコバイオロジー"ではこの環境を生かしてピコメートルレベルの構造・機能解析を実現し、その成果をマクロな生命現象の理解へと展開していくことをめざしています。学生諸君は、この次世代ピコバイオロジーの構築に向けた研究の一翼を自ら担うことによって、生命科学の専門能力を磨きます。

写真このリーディングプログラムでは、生命科学の高度な研究能力をバックとして、研究者というよりもむしろ、企業、官公庁、報道・出版など、社会の幅広い分野で活躍する"リーダー"を養成することを目標としています。リーダーに期待される役割は、それぞれの組織や部署によって異なるでしょうし、状況が変わればリーダーに求められるものも違ってきます。大事なのは、どのような場においてもその時々の状況を的確に把握し、適切な対応を取ることによって集団を望ましい方向に導くことでしょう。次世代ピコバイオロジーを究める努力を通じて、高度な俯瞰力、ものごとを深く考察する力、適切な方法を見つけて問題を解決する能力、自らの成果や考えを国際的な場で語る能力など、リーダーにふさわしい力が養われると確信します。

写真 「一芸に秀でるものは多芸に通ず」ということばがあります。一つのことを徹底的に修めれば、自然に他のあらゆることに対する能力も磨かれる、という含蓄の深いことばです。これに対して、私たちはあえて、「一芸に秀でつつ、一芸に没しない」というキャッチフレーズを掲げました。一芸に固執するあまり、周りのことが目に入らなくなるのはよくあることですが、これではリーダーを目指す者として失格です。意識的に専門外のものごとにも目を向けることで視野が広がり、新しい可能性も見えてくるでしょうし、それが結局は"一芸"を伸ばすことにもつながります。ピコバイオロジー専攻では、まず一芸を伸ばすために充実した専門科目を置いています。特に"構造解析装置実習"は、大型装置の現場で装置の原理から応用までを実地に学ぶもので、世界的にも類を見ないものです。一方、視野を広げるきっかけとしてもらうため、一流の講師陣による科学教養科目を用意しました。また実践科目としての海外留学とインターンシップは必修です。これらの科目を十分に活用して、リーダーとしての素養を磨いてもらいたいと思います。

写真当研究科が立地する播磨科学公園都市には、世界最高水準の構造解析装置群が集積しています。このような場所は世界でも他になく、まさにタンパク質研究の牙城といえるでしょう。都会の喧騒を離れた自然豊かな山の上で、世界中からやってきた元気な仲間たちや情熱あふれる教員とともに、次世代ピコバイオロジーを築き上げ、リーダーへと成長していこうではありませんか。